荷待ち時間を記録しておらず、実態を数字で説明できない

倉庫に荷待ち時間を記録する法的義務は原則としてありません。ただし運送事業者側には、荷主都合で30分以上待機した場合に乗務記録へ残す義務があります。つまり倉庫が記録していなくても、待たせた事実は相手側に記録されています。

この課題の構造

記録していない拠点が多いのは、義務がないからです。倉庫に荷待ち時間の記録義務は原則としてありません。物流効率化法が課しているのは「短縮」の努力義務であって、「記録」ではありません。

ただし、ここで見落とされがちな事実があります。運送事業者の側には、荷主都合で30分以上待機した場合に乗務記録へ残す義務があります。倉庫が記録していなくても、待たせた事実は相手側に記録されているということです。

非対称なのは、その記録がこちらの手元にないことです。運送会社や荷主が数字を持っていて、倉庫が持っていない。認識に差が出たとき、反論する材料がない状態になります。

なぜ起きるのか

記録義務がないため、始めるきっかけがない
法的に求められていないことを、日々の業務に追加するのは動機が要ります。義務化されていれば動きますが、努力義務では優先度が上がりません。
短縮を示すには短縮前の数字が必要になる
厚生労働省は荷主に求める取組として「荷待ち・荷役等時間、および取組の効果の適切な把握」を挙げています。改善したと言うには、改善前のデータが要ります。記録を始めていない時点では、その材料がありません。
荷主からデータ提出を求められたときに答えられない
特定荷主に該当する取引先は、自社のサプライチェーン全体で荷待ち時間の短縮に取り組む立場になります。委託先である倉庫にデータを求める流れが生じます。
運送会社との認識に差が出たとき、根拠がない
「いつも待たされる」と言われたときに、実際の待ち時間を示せなければ、感覚論の応酬になります。相手側には乗務記録があります。

判断の基準になる数値

項目内容出典
特定倉庫業者の指定基準貨物の保管量 70万トン以上物流効率化法(国土交通省・理解促進ポータルサイト)
特定荷主・特定連鎖化事業者の指定基準取扱貨物の重量 9万トン以上物流効率化法(国土交通省・理解促進ポータルサイト)
運送事業者に記録義務が生じる待機時間荷主都合で30分以上貨物自動車運送事業輸送安全規則(2017年7月1日〜)

打ち手

自社が特定倉庫業者に該当するか確認する
物流効率化法で中長期計画の作成や定期報告の義務が生じる特定倉庫業者の指定基準は、貨物の保管量70万トン以上です。中小・単独拠点が該当することはまずありません。まずここを確認して、義務なのか任意なのかをはっきりさせてください。
取引先の荷主が特定荷主に該当しそうか把握する
特定荷主・特定連鎖化事業者の基準は取扱貨物9万トン以上で、倉庫の70万トンより桁が小さく、該当する荷主は珍しくありません。自社が対象外でも、取引先経由で実質的な対応を求められる可能性があります。
荷待ち時間の定義を拠点内で揃える
国土交通省が示す起算点は、ドライバーが集貨場所等に到着した時刻、または指示された到着時刻(到着後すみやかに受付を行う場合はその受付時刻)です。終点は荷役等の開始時刻。門前到着からか受付完了からかで数字は変わるため、拠点内で揃えないと集計しても比較できません。
まず1か月だけ記録してみる
完璧な仕組みを作ってから始める必要はありません。到着時刻と作業開始時刻を1か月記録するだけで、自拠点の平均とばらつきが分かります。改善の余地がどこにあるかは、その数字を見てから判断できます。

バースナビを使う場合

バースナビでは、受付から作業完了までが自動で記録され、CSVで出力できます。記録のための作業が発生しないため、「短縮したかどうか」を後から示すデータが自然に貯まります。荷主から提出を求められた際も、そのまま出力して渡せます。

よくある質問

倉庫に荷待ち時間の記録義務はありますか?
原則としてありません。物流効率化法がすべての荷主・物流事業者に課しているのは努力義務です。報告等の義務が生じる特定倉庫業者の指定基準は、貨物の保管量70万トン以上です。
記録していないと罰則がありますか?
倉庫に対する罰則はありません。ただし運送事業者側には荷主都合で30分以上待機した場合の記録義務があり、待たせた事実は相手側に残ります。
荷待ち時間はどこからどこまで測りますか?
ドライバーが集貨場所等に到着した時刻(到着後すみやかに受付を行う場合はその受付時刻)から、荷役等の開始時刻までです。到着指示の有無により4つのパターンに分かれます。

受付の仕組みから変える場合バースナビは受付と呼び出しをドライバーのLINEで完結させ、待ち時間を自動で記録します。1拠点あたり月10,000円、2ヶ月無料。

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