荷待ちの原因の45%はバース計画・管理|国の調査で、待たせている場所として倉庫が名指しされた
国土交通省が令和7年8月から9月にかけて全トラック事業者を対象に行った違反原因行為の実態調査で、長時間の荷待ちの原因の内訳が公表されました。最も多いのはバース計画・管理の45%で、荷役作業計画・管理25%、倉庫設備能力16%が続きます。荷主側の業務計画・管理は14%でした。上位3つはいずれも倉庫の運用と設備を指しており、合わせて86%になります。これはトラック事業者が考える原因を集計したもので、原因を実測したものではありません。ただし待たされている側がどこを見ているかは、この数字がそのまま示しています。
国土交通省が全トラック事業者に実施した調査で、長時間の荷待ちの原因として最も多く挙がったのはバース計画・管理で、45%でした。荷役作業計画・管理25%と倉庫設備能力16%を足すと86%になり、上位3つはいずれも倉庫の運用と設備を指しています。荷主側の業務計画・管理は14%です。
待たせている場所として名指しされているのは倉庫だ、というのがこの調査の読み方になります。
何を見た調査か
トラック・物流Gメンが令和7年8月から9月にかけて、全トラック事業者を対象に実施した「違反原因行為に係る実態調査」です。結果は同年10月と11月の集中監視月間の取組とあわせて、令和7年12月23日の報道発表で公表されました。
Gメンへ寄せられた情報のうち、長時間の荷待ちが39%を占めて最も多く、契約にない附帯業務29%、運賃・料金の不当な据置き15%が続きます。回答したトラック事業者のうちGメンの活動を認知している割合は約90%で、存在はすでに知られていると見てよいでしょう。その一方で、寄せられる報告の件数は約39%減っています。国土交通省は、是正指導や荷主パトロールといった啓発活動の効果を理由のひとつに挙げています。
原因の内訳
長時間の荷待ちについて、トラック事業者が考える主な原因はこう分かれました(調査結果の資料)。
| 原因 | 割合 |
|---|---|
| バース計画・管理 | 45% |
| 荷役作業計画・管理 | 25% |
| 倉庫設備能力 | 16% |
| 荷主側の業務計画・管理 | 14% |
この表は、トラック事業者が考える原因を集計したものであって、原因を実測したものではありません。同じ現場を倉庫側から見れば、別の内訳になる可能性は十分にあります。それでも、待たされている側がどこに問題があると見ているかは、この数字がそのまま示しています。
荷待ちの議論は荷主の発注の仕方に向かいがちですが、現場からの指摘は倉庫の運用に集中していました。倉庫の側からすると受け入れにくい結果でしょうが、取引先から荷待ちの数字を求められる場面で相手が持っているのはこの内訳なので、何を疑われているかを先に知っておく価値はあります。
1位に挙がっているのは、順番の決め方
内訳の1位であるバース計画・管理について、資料には次の声が載っています。
倉庫で導入されているバース計画・管理システムをうまく活用できない。またそもそもシステムがなく、到着順となっている
荷主と倉庫側で伝票やデータの連携が取れず作業が遅延してしまう
到着順で処理するかぎり、開門と同時に台数が集中し、集中したぶんだけ後ろのトラックが待つことになります。受け入れる台数が同じでも、到着の時刻がばらけていれば待ち時間は短くなるので、この区分で問われているのは倉庫の広さやバースの数より、順番をどう決めているかという運用のほうです。
残る2つは性質が違います。3位の倉庫設備能力16%には「バース数が少ない」「着荷主側の荷捌き場などの作業場所が不足」「運送事業者が待機できる場所が荷主側倉庫にない」が並び、どれも投資の話になるので明日から変えられるものではありません。2位の荷役作業計画・管理25%は「倉庫の荷役作業の管理者や現場作業員の不足」「荷主と運送事業者との連携が不十分」が挙がっており、こちらは人の問題なので採用にも教育にも時間がかかります。3つを並べると、投資も採用も要らないのは1位の45%だけだと分かります。
Gメンは通報が無くても来る
同じ集中監視月間で、荷主等への訪問が全国で1,473件ありました。10月28日と29日には全国のGメンが荷主の本社や着荷主の多い東京に集結し、公正取引委員会などと合同で大規模な荷主パトロールを実施して120社へ周知啓発を行っています。同委員会と連携した活動も全国で34回あり、令和8年1月1日に中小受託取引適正化法が施行されることを踏まえた取組です。
是正指導の段階と、通報された場合に何が起きるかは荷待ち時間は通報されるに整理しました。制度そのものの説明はトラック・物流Gメンにあります。
倉庫業者はGメンに調べられる側であると同時に、荷主の振る舞いを申告できる側でもあります。2024年11月から情報収集の対象に加わり、集中監視月間には寄託者の振る舞いに関する調査が倉庫業者へ行われました。回答した858社のうち35社、全体の4%から情報が寄せられています。倉庫業者向けの通報窓口も、これまでの本省と日本倉庫協会に加えて地方運輸局に設置されました。
到着順をやめるところから
トラック事業者が挙げた原因の45%が順番の決め方にあるなら、倉庫が最初に手をつけるのは、来場の時間枠をこちらから割り当てて到着を散らすことだと考えています。建屋にもバースの数にも手を入れずに始められる点が、この区分の特徴です。
荷主の側からは、倉庫で起きている待ちがさらに見えにくくなっています。国の別の調査では、配送先での荷待ちを把握していない荷主が48.2%でした(荷主は荷待ちを把握していない)。倉庫が記録を持たなければ、45%と名指しされた当の運用について、改善したという証拠も残りません。記録の取り方は荷待ち時間の記録は義務かに書きました。
バースナビは受付から作業完了までを自動で記録し、来場の時間枠をドライバーのLINEで割り当てます。同じことができるサービスは他にもあるので、バース予約システムの比較で6社を横に並べて見てください。荷待ちの定義と法律の全体像は荷待ちとはにあります。
この記事は2026年9月23日時点の公開情報にもとづきます。数値は国土交通省「トラック・物流Gメンによる『集中監視月間』の取組を踏まえた国土交通省の対応について」(令和7年12月23日報道発表)および同報道発表の別紙から引用しました。原因の内訳は、令和7年8月から9月にかけて全トラック事業を対象に実施された「違反原因行為に係る実態調査」において、トラック事業者が考える主な原因を集計したものです。原因の実測ではない点にご留意ください。集中監視月間の対象期間は令和7年10月と11月で、同期間の是正指導は勧告1件、要請7件、働きかけ363件の計371件でした。
よくある質問
- 長時間の荷待ちの原因で最も多いものは何ですか?
- バース計画・管理で45%です。国土交通省が令和7年8月から9月に全トラック事業者を対象に実施した違反原因行為の実態調査で、トラック事業者が考える主な原因として最も多く挙がりました。次いで荷役作業計画・管理25%、倉庫設備能力16%、荷主側の業務計画・管理14%と続きます。
- この45%という数字はどう読めばよいですか?
- トラック事業者が考える原因を集計したものであり、原因を実測したものではありません。ただし待たされている側がどこに問題があると見ているかは、この数字がそのまま示しています。
- 荷待ちの原因は荷主と倉庫のどちらにあるとされていますか?
- 内訳の上位3つであるバース計画・管理45%、荷役作業計画・管理25%、倉庫設備能力16%は、いずれも倉庫の運用と設備を指しています。合わせて86%です。荷主側の業務計画・管理は14%でした。
- 具体的にどんな声が挙がっていますか?
- バース計画・管理については「倉庫で導入されているバース計画・管理システムをうまく活用できない。またそもそもシステムがなく、到着順となっている」「荷主と倉庫側で伝票やデータの連携が取れず作業が遅延してしまう」が挙げられています。設備については「バース数が少ない」「運送事業者が待機できる場所が荷主側倉庫にない」があります。
- トラック・物流Gメンは実際に来るのですか?
- 来ます。令和7年10月と11月の集中監視月間では、荷主等への訪問が全国で1,473件ありました。10月28日と29日には東京で大規模な荷主パトロールが実施され、120社へ周知啓発が行われています。公正取引委員会と連携した活動も全国34回実施されました。
- 倉庫業者もGメンの対象ですか?
- 対象です。2024年11月から倉庫業者が情報収集の対象に追加されました。集中監視月間では倉庫業者へ寄託者の振る舞いに関する調査が行われ、回答858社のうち35社から情報が寄せられています。倉庫業者向けの通報窓口も、本省と日本倉庫協会に加えて地方運輸局に設置されました。