荷待ちとは|定義と実態、そして国が倉庫に求めていること
荷待ちとは、トラックが集貨場所等に到着してから荷役等が始まるまでの待機時間を指します。読み方はにまち。荷役や検品などの作業に従事する荷役等時間とは区別されます。当社が2026年4月に実施したドライバー300人への調査では、68.7%が月に複数回以上の荷待ちを経験していました。国土交通省は倉庫業者の判断基準として、トラック予約受付システムの導入を挙げています。
作業をしている時間は荷待ちに入らず、荷役等時間として別に数えます。
待っている時間と、働いている時間は分けて数える
荷待ちと荷役等時間の切り分けは、国土交通省が算定方法として示しています(国土交通省「「荷待ち時間」と「荷役等時間」の算定方法について」)。荷待ち時間の起算点は、ドライバーが集貨場所等に到着した時刻、または指示された到着時刻で、終点は荷役等の開始時刻です。到着の指示があるかどうかで、起算点は4通りに分かれます。荷役等時間のほうは、荷積みと荷卸しより広く定められています。
荷役(荷積み及び荷卸し)、検品、荷造り、搬出・搬入(入出庫や棚入れ・棚出し)、保管、仕分、商品陳列、ラベル貼り、代金の取立て・立替え、荷主等が行う荷役への立会いその他の通常運転業務に附帯する業務
検品も仕分けもラベル貼りも入るので、倉庫がドライバーに手伝わせている作業は、たいていここに該当します。除かれるのは、運送事業者の業務上の指示による休憩時間です。測り方の詳細と、記録として何を残せばよいかは荷待ち時間の記録は義務かに書きました。
月に複数回以上の荷待ちを経験するドライバーは68.7%
当社が2026年4月に実施したトラックドライバー300人への調査では、68.7%が月に複数回以上の荷待ちを経験していました(トラックドライバーの荷待ち実態調査、n=300)。繁忙期にたまに起きる出来事というより、7割近くのドライバーにとっては月に何度も繰り返される日常になっています。
同じ調査で、荷待ちの困りごととして最も多かったのは、拘束時間が増えて収入や効率に影響することで27.0%、次いで、いつ終わるか分からない不確実性が20.7%でした。私が注目しているのは二番目の不確実性のほうで、待ち時間の長さと並んで、見通しが立たないこと自体が負担になっています。待ち時間をゼロにできない倉庫にも、打つ手はあるということです。順番と目安をドライバーに伝えれば、負担の一部は下がるとみています。
調査からはもう一つ、月に4か所以上の倉庫を訪問するドライバーが57.4%いたことも分かっています。複数の倉庫を回っているドライバーにとって、ある倉庫の待たせ方はその拠点単独の評価で終わらず、他の倉庫と比べたうえで受け取られていると考えるのが自然です。
午前に集中する構造は、倉庫だけでは動かせない
荷待ちが起きる理由を倉庫の段取りの悪さに求める記事を見かけますが、原因はそれにとどまりません。トラックの到着が午前に集中するのは、荷主の当日出荷の慣行や、着荷主が指定する納品時間帯に起因します。倉庫は指定された時間に来た車を受けているにすぎない、という場面も少なくありません。バースの数を増やしても、来る時間が同じなら列は消えません。
国土交通省も、荷主側の判断基準として混雑時間を回避した日時指定による出荷・納品日時の分散を挙げており(国土交通省「荷主(第一種・第二種)の判断基準等」)、到着を散らす責任は荷主の側にもあると整理しています。その荷主は二つに分かれます。主に発荷主にあたる第一種荷主が積合せや共同配送に主体的に取り組む立場で、主に着荷主にあたる第二種荷主はそれに協力する立場とされています。
「2時間以内」の出所は、法律ではなくガイドライン
荷待ちと荷役等時間を2時間以内に、という数字が広く出回っていますが、出所はガイドラインです。経済産業省、農林水産省、国土交通省が令和5年6月2日に連名で策定した「物流の適正化・生産性向上に向けた荷主事業者・物流事業者の取組に関するガイドライン」に、ドライバー1運行あたりの荷待ちと荷役作業等の時間が計約3時間であることを踏まえ、各荷主事業者の取組によって1時間以上短縮し2時間以内とする、と書かれています(国土交通省「「物流の適正化・生産性向上に向けた荷主事業者・物流事業者の取組に関するガイドライン」を策定しました」2023年)。2時間を達成した場合は、さらに1時間以内を目標とすることが求められています。
注意が要るのは、これが自主行動計画の作成と公表を求めるガイドラインであって、物流効率化法の判断基準ではないことです。国土交通省の判断基準のページには、荷待ち時間の数値目標は書かれていません(2026年8月時点)。荷主の判断基準にも、倉庫業者を含む貨物自動車関連事業者の判断基準にも、何時間以内という記載はない状態です。この数字を根拠に社内を動かすこと自体は構いませんが、法が定めた基準として扱うと、取引先との話が食い違ってきます。2時間は業界の目標値で、超えたことに罰則が結びついているわけではない、という位置づけで持っておくのが正確です。
国は倉庫に、予約受付システムを名指ししている
この記事でいちばん伝えたいのはこの節です。倉庫業者は物流効率化法上、貨物自動車関連事業者という区分に入り、荷待ち時間の短縮について、倉庫業者だけに向けた判断基準が定められています(国土交通省「貨物自動車関連事業者の判断基準等」)。挙げられているのは、トラック予約受付システムの導入と、混雑時間を回避した日時指定の二つです。
システムの導入は手段の一例として紹介されているわけではなく、判断基準そのものに書かれています。もっとも、入れれば済むという書き方ではなく、原文には次の条件がついています。
単にシステムを導入するだけではなく、関係事業者の配送スケジュールに配慮した予約時間の調整や利用率の向上など、現場の実態を踏まえ実際に荷待ち時間の短縮につながるような効果的な活用を行うこと。
ドライバーが使わない予約システムや、予約が埋まらないまま飛び込みを受け続けている運用では、判断基準を満たしたことにはならないと私は読んでいます。
荷役等時間のほうでは、荷役作業ができる環境の確保、搬出入の迅速な実施、フォークリフトと作業員の適切な配置、納品先単位での仕分け、一貫パレチゼーションへの協力、検品機器による効率化が挙がっています。実効性を確保する取組としては、責任者の選任と従業員研修、時間の状況の把握とデジタル技術の活用、荷主への改善提案などです。
倉庫が着手できるのは、順番と見通しの提示
到着時刻は荷主が決め、作業量は荷物次第なので、倉庫が自力で変えられる範囲は広くありません。そのなかで動かせるのが、受付の順番と、待ち時間の見通しをドライバーに渡すことです。調査で困りごとの20.7%を占めていた不確実性は、倉庫の側から手を打てる負担だといえます。
バースナビは受付と呼び出しをドライバーのLINEで完結させ、順番の状況を本人の端末で確認できるようにします。待ち時間は自動で記録されるので、判断基準にある時間の状況の把握もそのまま満たせます(サービスの詳細)。
法律の全体像は物流効率化法とはに、長時間の荷待ちが通報された場合に何が起きるかは荷待ち時間は通報されるに書きました。受付の仕組みを外から入れる場合の選択肢はバース予約システムの比較にまとめています。
この記事は2026年8月7日時点の公開情報にもとづきます。調査データの引用条件はトラックドライバーの荷待ち実態調査に記載しています。
待たせた時間には単価がついており、金額の計算は荷待ちは30分を超えると課金されるにまとめました。
受付の順番と待ち時間の見通しを仕組みとして持ちたい場合はバースナビをご検討ください。1拠点あたり月10,000円、2ヶ月は無料で試せます。
よくある質問
- 荷待ちとは何ですか?
- トラックが集貨場所等に到着してから、荷役等が始まるまでの待機時間です。到着後すみやかに受付を行う場合は、受付時刻が起算点になります。
- 荷待ちの読み方は?
- にまちと読みます。荷待ち時間はにまちじかんです。
- 荷待ちと荷役等時間の違いは何ですか?
- 荷待ちは待っている時間、荷役等時間は作業に従事している時間です。荷役等時間には荷積みや荷卸しのほか、検品、荷造り、仕分、ラベル貼りなどの附帯業務が含まれます。運送事業者の業務上の指示による休憩時間は除かれます。
- 荷待ちはどのくらいの頻度で起きていますか?
- 株式会社リズムチェンジが2026年4月に実施したトラックドライバー300人への調査では、68.7%が月に複数回以上の荷待ちを経験していました。
- 荷待ちで何が一番の負担ですか?
- 同じ調査では、拘束時間が増えて収入や効率に影響することが27.0%で最多、次いでいつ終わるか分からない不確実性が20.7%でした。
- 国は倉庫に何を求めていますか?
- 国土交通省は貨物自動車関連事業者の判断基準として、倉庫業者に対しトラック予約受付システムの導入と、混雑時間を回避した日時指定を挙げています。単に導入するだけでなく、実際に荷待ち時間の短縮につながる活用をすることが求められています。
- https://www.revised-logistics-act-portal.mlit.go.jp/method/
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- https://www.revised-logistics-act-portal.mlit.go.jp/sippers/judgment-criteria/
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- https://www.mlit.go.jp/report/press/tokatsu01_hh_000687.html